高校生に伝えた「見る人に伝わる写真の撮り方」
先日、専修大学付属高校の地域授業で、「写真の撮り方のコツ」をレクチャーさせてもらった。
※経緯はコチラの記事を参照
商店街へ取材へ出かける高校生に、「これだけは!」というポイントを話した。
2人ほど一眼レフを持ってきてる子がいたけど、基本的に機材は「スマホ」ということで
限られた機能の中で「これだけは…!」というポイントを3つにまとめてお伝えした。
まずは伝いたいことを思いつく限りあげて、そこから絞っていった。
これも伝えたいけど、話が広がりすぎてしまうな…と思ったものは、思い切って削ったりもした。
そうしてできあがった3つのポイントは、結果的に、スマホに限らず「写真を撮る」ということにおいて大事な3つに絞れたと思う。
タイトルは「見る人に伝わる写真の撮り方」にした。
「見る人に伝わる写真の撮り方」
前回までの地域授業では「人に伝わる文章の書き方を習ってきた彼ら。
「文章は自分の好きなように書いたっていいんだけど、できれば他人に伝わり共感してもらえるものだといいよね。
写真もそれと同じ。
何をどう撮ったっていいんだけど、できれば撮った時の感動だったり驚きだったりが見る人に伝わるといいと思う」
というわけで、「見る人に伝わる」というタイトルにした。
ポイント1:目つぶり・ピンボケはNG
どんなにいい被写体、どんなにいい構図で撮っていたとしても
人物写真で「目つぶり」や「ピンボケ」はNGである。
「わたしも出張撮影で家族写真などを撮っているけど、『目つぶり』『ピンボケ』は納品できません。
これから取材で店主さんの写真を必ず撮ると思うけど、
スマホでもときどき背景にピントがきてしまって、肝心な撮りたいものがボケてしまった経験あるよね?」
そうそう!と頷く生徒さんたち。
写真を撮ってはい終わり、ではなくて、必ずチェックしてほしい。
というのも、多少のことはトリミングやレタッチで修正できても、これだけはあとから直すことは困難。
だからその場で確認をお忘れなく!
ポイント2:「背景」を整理せよ
ここで3枚の写真を比較してもらいました。
「(Aの写真を見せ)この写真を撮った人(わたし)は何を伝えたかったかわかりますか?」
ざわざわ。
「ピザ、、、かな?」
「(Bを出して)じゃあこれは?(Cを出して)じゃあこれは?」
「あ、トマトの、、、!」
わたしはトマトピューレの瓶の絵柄がかわいかったので、それを伝えたかった。
だけど、(A)の写真だとまわりがごちゃごちゃしすぎてて、伝わりにくい。
「このトマトピューレを使ってピザを作りました」って写真ならいいけど。
(B)、(C)にいくにつれ、余計なものが削ぎ落とされて、より伝えたいことが明確になっている。
背景を整理する目的は、伝えたいことを引き立てるため。
一眼レフの場合は背景をボカせるので、背景整理が得意。
でもスマホはボカしが苦手。
なので、そのかわりに周りの余計なものをどかしたり、撮る角度を変えてみたりしてほしい。
背景にちょっと気を配ってみると伝えたいことがより伝わる写真になる。
ポイント3:「構図」が決まると写真が決まる
ちょっと写真の勉強をしたことがある人なら、必ず知っているのが「構図」。
写真を撮る際に、これを意識してるのとしていないのとでは写真の仕上がりにグッと差が出る。
構図の種類はあげるとたくさんあってキリがないので、今日は次の2つだけ覚えていってほしい。
撮りたいもの、伝えたいことを、どーーんと真ん中に配置する構図。
「これが撮りたいんです!」というのが一番明確に伝わる構図だ。
縦三分の一、横三分の一に引いたラインの交点に撮りたいものを配置する構図。
人間の脳の仕組みとして、この位置にきたものを大事なものと認識するらしい。不思議だけど。
これもちょっとずれてたりすると「違和感」を感じたりする。
スマホでは「グリッド線」表示をぜひしておいてほしい。
(iPhoneの場合は、「設定→カメラ→グリッド」で設定できる)
グリッド線はとても便利で、三分割構図にも役立つことはもちろん、水平の調整にも大活躍。
これはぜひ、おすすめ。
まとめ
以上が、わたしが高校生に伝えた「見る人に伝わる写真の撮り方」。
スケッチブックに手書きのフリップを使って、かなりアナログ感あったけど、それもなんかよかったかなぁと。
こちらを真剣に見て、ときおり頷きながら聞いてくれる生徒さんたちが、当てるとなぜかきゅっと小さくなってしまうのがかわいかった。
(高校生をかわいいと言ってしまう時点で大人になったなぁと感じる。笑)
レクチャー後の取材も、たいへん盛り上がり、それぞれにいい話が聞けたようだ。
来年、年明けに最後の授業があり、取材記事と写真の発表がある。
どんな記事、どんな写真ができあがってくるか、今からとても楽しみ。