高校生×商店街の地域授業。伝わる文章とインタビューのコツ。
わだっちでのご縁でお話をいただき、この秋は専修大学付属高校の地域授業に参加させていただいている。
専大付属高校と地元・和泉仲通り商店街をつなぐ授業である。
11月から始まった連続授業のゴールは、「高校生が商店街のお店の取材記事を書く」というもの。
その下地として、坪田知己先生による文章講座とインタビューのコツのレクチャ、そしてわたしが取材写真の撮り方をレクチャする。
先日、見学に行った回は文章講座で書いた課題文の添削をする回だった。
講師の坪田知己さんは元新聞記者で、現在は複数の肩書きを持ちながら各地で文章講座を行なっている。
人に伝わる文章、「共感」を呼ぶ文章を書くコツをとてもわかりやすく教えてくれる。
というのも、実はわたしも知己先生の文章講座を和田商店街で受けている。
知己先生から教わった「核心文展開法」
言いたいことを一文にしぼり、そこから文章を展開させていく・・・「核心文展開法」
和田の文章講座で一番衝撃を受けたのはこれだった。
わたしが提出した課題文を、バッサバッサと切っていき、「これが言いたいこと(核心文)でしょ」と見事にワンセンテンスにまとめてしまう。
実際は、書いてるときは自分でもなにが言いたいのかよくわかっていなかったんだと今となっては思う。
核心文が見えてしまうと、残すべき文と余計な文がパッと色分けされる。
そして見事に「伝わる」文章に変身する。
「核心文展開法」
あれもこれもと説明したくなるわたしにとって、この手法は自分の文章を見直すときの大切な指針になっている。
実は、、、このとき提出した課題文と知己先生による添削後の文章、つまりビフォーアフターが、こちらの著書に事例として載せてもらっている。
見事な「斬られ」ようです(笑)
ちょっと、、、いや、かなり恥ずかしいのだけど、この著書自体はとても勉強になるので、興味のある方はぜひ手にとってみてほしい。
高校生たちの感性豊かな課題文
さて、わたしがお邪魔した授業では、高校生たちもバッサバッサと斬られていた。
でもその斬り方はぜんぜん残酷なかんじではなく、むしろ知己先生の愛情を感じるものだった。
課題文は「将来の夢」や「こだわり」について書かれていた。
だいたいが、「核心文」を最初に持ってきて、適度に段落分けをして、緩急をつけるためにカッコ「」を用いる、
その程度のお化粧で、見事に「伝わる」文章に変身してしまうのだ。
授業中は当てられるまではとくに発言もなく(うるさい小学生を見慣れてるわたしにとっては心配になっちゃったけど!)おとなしい高校生たちだったけど、文章にはそれぞれの子の感性が溢れていた。
ー「杏仁豆腐好き」と言うことで人に認められた経験から、こだわりは一つの個性として成り立つ、という話。
ー国によってマナーは違う。違いを知るのは楽しいから「自分と違う人」と関わる仕事がしたい、そのために外国語を学びたい、という話。
ー何もない一日こそ、日記に書き残したい。印象的な出来事よりも「その日に思ったこと」を書いている、という日記へのこだわり。
ー「夢」と「目標」の違いに言及しているもの。
ー「最高の仲間と最高の舞台で踊る」ために、ストイックな環境で練習に励むダンス部の子の話。
どの文章もすごーく心に沁みるものがあって、できることなら一人一人とじっくり話してみたいと思えるものだった。
インタビューのコツ
授業の後半では、インタビューのコツがレクチャーされた。
講師の坪田知己さんは、新聞記者時代に何千人もの人のインタビューをしてきたというツワモノ。その中には総理大臣もいたとか!
インタビューのコツは、知らなかったらその場で迷ってしまったり、あとで困ってしまうだろうなと思われることをとてもわかりやすく伝えてくださるものだった。
ー「ここが面白い」というところを徹底的に聞く。わかる(納得できる)まで聞く。
ー「名数」はきちんと確認してメモする。
「伊藤さん」と思ってたら「伊東さん」だった、、、とか。
ー取材は「五感」でする。
この言葉が一番印象に残った。
ただ事実を聞き出すだけでなく。そのときの気持ちや情景までも掘り下げて聞く。
それによって、読者に「響く」記事が書けるのだ。
次回は商店街へ取材へ
次回の授業では、商店街への取材に繰り出す。
その前に「取材写真の撮り方ミニレクチャー」をするのがわたしの仕事だ。
機材はスマホ。
スマホだとできることは少ないけれど、だからこそ、「これだけは!」というポイントを3つにしぼって伝えようと思う。
どんな展開になるか今から楽しみだ。