娘の卒園とわたしたち家族の5年半。

先日は娘の卒園式でした。

一週間くらい前から雨予報が出ていて、前日まで天気予報では雨マーク・降水確率100%。

雨確定だわぁ、、、とどよんとしていたのですが、明け方には雨が上がり、朝には少し晴れ間も見えるほどでした。

晴れなくてもいいからせめて曇りで!という願いが届いたのか、一度も雨に降られず卒園式の一日を終えることができました。

お天気の願いって届くんだなぁと、不思議な気分でした。

ど緊張の卒園式

娘は卒園式に向けて「ど緊張」していて、今月に入ってからは「ほいくえん、いきたくない」「そつえんしき、こわい」と毎朝のように泣き言を言っていました。

なんでも真剣に真面目に取り組むタイプで、そのぶん、「失敗したらどうしよう」と怖くなってしまうことも人一倍大きいようです。

外ではハツラツとしているし、人前でも堂々としゃべれる人なので、保育園のお母さんたちに家の様子を話すと、まさかそんなことを言うなんて!といつも驚かれます。

私はそんな娘に「そんなにがんばらなくていいんだよ」「練習通りにやれば大丈夫だよ」といつも声をかけています。

運動会、劇の発表、など、今までいろんなイベントがあり、そのたびに「ど緊張」してきた娘ですが、卒園式に向けては今までの比じゃないくらいのプレッシャーを感じていたみたいで。

最初にホールで集合写真を撮ったのですが、私が娘の後ろに立ち、「背筋ピンとしようね」と背中を伸ばすように触りながら話しかけても何も反応なし。背中はカチンコチン。

正面から見ていた先生が「あれ〜?緊張してる〜??笑顔笑顔!」と娘のところに来て笑いかけてくれたのですが、自分ではどうしようもできなかったのか、涙が溢れてきてしまって泣き始めてしまいました。

それからなんとか涙は止まったものの、写真撮影の間はずっと斜め下を向いて、無表情の娘。

式が始まり、今度は母と子が向かい合う形で座るのですが、目があっても一度も笑ってくれることはなく。

でも、言葉を発したり、歌を歌うところでは、いつもの大声で元気よくやっていました。

すごいなー、ほんとにこの娘は本番に向けてストイックにがんばっているんだな、と感心してしまいました。

無事、式を終えて退場。廊下に出るといつもの調子に戻って友達同士でじゃれあっていました。目つきもさっきとはぜんぜん違ってやわらかくなっていて。

ほんとうにお疲れさま!よくがんばったね!立派だったよ!と、いつまででも褒めてあげたいくらいでした。

激動の5年半

娘の保育園生活を振り返ると、そこには私や家族にとっても大きな変化と成長がありました。

娘は最初の半年は別の認証保育所に通っていて、1歳児クラスから今の認可保育所に通いました。

私自身の話になるのですが、仕事についてはそれまでもいろいろと考えていたけれど、具体的に行動に移してみたのは娘が生まれてからでした。

私は新卒で前職であるシステム開発の会社に就職し、入社直後から大手都市銀行の統合案件に携わり、とてつもなく大きな流れの中で忙しく多くの経験をさせてもらいました。

ただ、システム開発の仕事がやりたくてその会社に就職した訳ではなくて、「とにかくなんでもいいから経済力をつけて、25歳までには親元を離れて自活したい」という思いから就活を始めて、最初に内定をくれた会社がその会社でした。

学生時代の私は自分の将来を決定することから逃げに逃げまくっていて、でも勉強だけはそこそこできたので、とりあえず進学、とりあえず普通科、とりあえず文系なら資格取れそうな法律学科、という感じで無難な道を選び、いざ学生が終わる、就職だ!というときには、本当に何をしたいんだかわからない状態でした。

何をしたいのかわからないけれど、これ以上親のすねをかじっていてはいけないとだけは強く思っていて、就職することにしたのでした。

その会社で何を得られるかわからなかったけれど、とにかく一生懸命やってみようと腹をくくって3〜4年働いたところで一度目の産休・育休、復帰して1年数ヶ月、二度目の産休・育休、そして復職。

システム開発の仕事は私にとってはやりがいを感じにくかったしセンスもないなと思っていたので、どうにか抜け出したいと思っていた二度目の育休中には、資格試験に挑戦したり、格闘していました。

写真を始めたのもこの頃でした。そして、写真を仕事として、一生できたらいいなと思い始めたのもこの頃でした。

結局資格試験には失敗してしまい、失意のなか復職。また望まない世界に戻ってきてしまった、とずいぶん落ち込みました。

ただ、職場の人間関係にはめぐまれていたのは幸いで、優秀な上司と気を許せる先輩がいて、それなりに楽しく刺激的な日々ではありました。

でも常に、本当にやりたいことはこれじゃない。という気持ちはどこかに持っていました。

今湧き立つ思いを消さない

そんなとき、家に帰ると子どもたちがいました。

子どもたちは、好奇心旺盛で、目の前のことにすぐに飛びつき、興味あるものは何時間でも眺めていられる集中力がありました。

いつも「今」「自分」の中に沸きたつものを大事にしていて(たぶん本人たちはその自覚はないのでしょうが)、そんな子どもたちを見ていると、私の中に今沸きたつ思いを絶対に消してはいけないと思ったものです。

ちょうど同じような感じで、夫もこれから先の働きかたを考えていたようで、彼は会社を退職し、夜間の専門学校に三年間通うという選択をしました。

娘が2歳児クラス〜4歳児クラスの三年間は、私にとっても、夫にとっても、家族全体にとっても、しんどさも喜びも大きい激動の三年間でした。

そして娘が5歳児クラスになったとき、夫は目指していた国家資格に合格して新しい職場につき、その半年後、私も写真を仕事にすることになりました。

私も成長できたかな?

こうして振り返ってみると、娘が保育園に通った5年半は、本当に大きな変化の連続でした。

娘は今の保育園に入った当初から、身長は約35cm、体重は約10kg増えました。きっと心もその分大きく成長したのでしょう。

同じだけの体の成長は、もちろん私にはないけれど(体重の増減はあったかな〜)、同じだけ心の成長をできていたらいいなと思います。

卒園、おめでとう。


なかじまさちこ(サチカメ)

田舎暮らしに憧れ、東京から愛媛(西条市丹原町)へ家族5人で移住。念願の自然に囲まれた暮らしを楽しみながら、フリーランスとして出張写真撮影、古民家宿運営サポー...

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