遊びながら目的を果たす。気づくとできてる。これでいいのだ。
「うさぎさんのお家が火事です!『たすけて〜、消防官〜』」
「しゅーしゅー!」
「急いで消防服に着替えてください!出動です!!」
「かじをけすじょー。しゅー!しゅー!」
「うー、かんかんかん!」
***
消防車大好きな次男との火事ごっこ。毎朝、毎晩の風景。
こどもの遊びに全力で付き合うなんてさすが!
と思われた方もいるかもしれない。
いやいや、そんな大層なものじゃない。
実は「うー、かんかんかん!」とか言いながら、手はせわしなく動き、着替えをさせたり、ウンチのオムツを取り替えたりしている。
遊びよりこっちが本当の目的。
遊びながら目的を果たしちゃうってのも、ありだよね。と思ったできごと。
こどもだましはポリシーに反する
私には「こどもだからって、こどもだましはいけない」というポリシーがあって、育児のいろんな場面でそれが現れていると思う。
たとえば、赤ちゃん言葉を使わないことだったり、見えないものの力を使わないことだったり(鬼、おばけ、サンタクロース)、理由をはぐらかさないことだったりする。
「早く寝ないとおばけがくるよ」ではなく、「こどもは寝てる間に大きくなるから、寝るのは大事だよ」と正面切って説明する、そんな感じ。
子育てしてから意外だったのは、まだしゃべれないこどもでも、大人の言うことはよーく聞いて理解しているということ。
だからなおさら、ちゃんと言葉で説明、納得させることが大事と今まではやってきた。
長男、長女はそれでまぁ問題なく(多少は苦労もあったけど)、やってこれた。
しかし、三番目、次男のイヤイヤ期の激しさは群を抜いていた。
次男のイヤイヤ期
「着替えよ〜」
「お風呂入ろ〜」
「オムツ変えよ〜」
そのどれに対しても即答。
「やーだー」
テコでもヤリでも動かない。一生懸命言葉で説得してもどーにも動かないので、最後は力づくで or お風呂なんかは諦めちゃうこともあった。
もうお手上げ〜!という日々が続いていたところ、ある日、ふと思った。
「やらなきゃいけないってことは分かってる、けどやらないのがイヤイヤ期なんだよ。気分を乗せてくれればやるのにな〜。ママ、へただな〜」
もしかしたら、次男の心の声はこんな感じなんじゃないかって。
それで冒頭の「火事ごっこ作戦」である。
作戦は見事に的中!
「火事です!」と言った途端に、すくっと立ち上がり、洗面所の方へ来てくれて、口では遊びながら、体は私の言うことを聞いてくれる。スムーズに着替えが進む。
え、、、こんな楽でいいの???
遊びながら目的を果たす。気づくとできてる。
思えば、私はなんでもマジメに真正面からやり過ぎるところがある。受験勉強なら、朝から晩まで10時間机に向かうことができちゃうタイプである。
でも、対こどもにおいては正攻法が通じないことがある。というか、それがほとんどかもしれない。
マジメくさって理屈を唱えたり、根性論を振りかざしたりするよりも、遊びながらもいつのまにか♪ くらいがちょうどいい。
お風呂やオムツ替えで体を清潔にしておくことの大切さなどは、別の機会に言えばいい。なんなら、それさえも絵本の中で教えてくれたりもする。
何より、実際にお風呂に入ったりオムツを替えてサッパリすることが、一番の納得のいく説明になる。体験からの学びが一番大きいから。
そのためにも、遊びながら目的を果たしちゃう。気づくとできてる!ってくらいがいいのかもしれない。というのを、子育て10年目にしてやっと体得したのでした。