ランドセルがないので「ラン活」もない

広島へ修学旅行に行っていた長男が無事に帰ってきました。さいわい、あまり雨にも降られずに楽しめたようです。

「一番の思い出は?」と尋ねると、迷った挙句、「ホテルの夕飯。ステーキが出たの〜」と今にもよだれをたらさんばかりのだらしない顔(笑)。この食いしん坊は誰に似た!?

小学校のもう一つの大きな違い

さてさて、東京と愛媛の小学校の違い、朝や夕方の過ごし方の違いについてはお伝えしましたが、もう一つ、大きな違いがありました。

それは、ランドセル

長男・長女が通う小学校は、いわゆるランドセルじゃないんです。写真がないので手描きのもので恐縮ですが、こんな感じのカバンです。

西条の通学用カバン

黄色のナイロン製のリュックで、男の子用は黒、女の子用は赤で縁取りされています。

たくさん荷物を入れればランドセルくらいの厚みになりますが、そこまで荷物量がない場合はすっきりしています。おそらくランドセルより軽いでしょう。

いわゆるランドセルでも、このタイプのものでも、どちらでもいいようです。が、ほぼ9割の子がこのタイプのものを使っています。

使われる理由としては、ランドセルより「安い」「軽い」、あとは「昔からみんなこれだった」というのが大きい気がします。

通学帽も黄色なので、おろそいな感じでかわいいです。

黄色いリュックの名称は?

こういうタイプのカバンってどう呼ぶのか、名称が気になって長男と一緒に下校していた下級生の子に聞いてみました。すると、「カバン」との答え。ん、まー、そうですよね。

検索したら出てくるかなーと「通学カバン 小学生」などで調べてみると、似たようなもので「ランリック(ランリュック)」というのが出てきました。「ランリック(ランリュック)」は、京都の小学校で伝統的に採用されている通学カバンで、「ランドセルより良い!」と最近ツイッターなどで話題になっていたようです。

知らなかったなー。

この地域にはラン活がない!?

あれ?ということはつまり、この地域には「ラン活」は存在しないということ!?

ちなみに、「ラン活」とは新一年生のランドセルを買うまでの一連の活動のこと。

人気のあるところだと夏休みくらいまでに予約をしないといけなかったりするようですし、親が選んでほしい色と子供が気に入った色がちがってすったもんだしたりということもよくあります。価格帯も機能もデザインも年々種類が増えているので、選ぶ方はほんとうに大変。

でも、少なくともうちの子供達が通う小学校では、とくにこだわりがなければ黄色いカバンになるわけで。「ラン活」のらの字もないというわけです。

「男の子らしい色」「女の子らしい色」

ランドセル選びにおいて私がいつも嫌だなぁと感じるのは、「男の子らしい色」「女の子らしい色」の話になることです。

私が小学生の頃は、男の子は「黒」、女の子は「赤」と決まっていました。女の子ではときどきピンクの子がいましたが、女の子で「黒」を背負っていると、かなりギョッとされたものです。

今は色のバリエーションが増えたので、男女共通でキャメルなんかは人気だし、水色、むらさき、茶色、みどり、青、シルバー、、、とおそらくここに挙げた以外にもたくさんの色があると思います。

だけどやっぱり、女の子が選びそうな色には刺繍が施されていたり、男の子が選びそうな色にはスポーティなラインが入っていたりします。やっぱり世の中が「男の子用」「女の子用」と用意した範囲でしか選べないのかと思い残念な気持ちになってしまいます。

また一方で、自分の娘が例えば黒を選ぼうとしたら、果たして二つ返事で「OK」と言えるだろうか?とも考えてしまいます。

男の子=黒、女の子=赤、の常識の中で育った世代なので、表面的には選べる時代だと理解していても、やっぱり「男の子(女の子)らしい色」「男の子(女の子)らしいデザイン」を選んでくれた方が安心と思ってしまう。

自分の中にそんな矛盾を感じて、もやもやしてしまうんですよね。

なので、正直なところ、次男の時はもうランドセル選びはしなくていいのかと思うとホッとした部分もあります。問題の本質から逃げていることにはなるのですが、でも、やっぱり気持ちは軽くなりました。

中島佐知子(サチカメ)

田舎暮らしに憧れ、東京から愛媛(西条市丹原町)へ家族5人で移住。念願の自然に囲まれた暮らしを楽しみながら、フリーランスとして出張写真撮影、古民家宿運営サポー...

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