スイカの種と、アップデートされていない自分
「芽が出たよー!」
8月上旬、愛媛に引っ越してすぐの頃、スーパーでスイカを買って食べました。そのときに出た種を、次男がどうしても「うめたい」「そだてたい」と言って聞かないので、庭の一角に適当に撒いてみました。
その翌日、なんと芽が出ていて!!トトロの映画の中で、一晩でどんぐりの芽が出たシーンを思い出してホッコリしていました。
それからも次男を中心に子供たちが毎日ペットボトルでせっせと水やりをし、一つだった芽が二つ三つと増え、だんだんとつるが伸びて、9月の頭にはついに黄色い花を咲かせました。
よくよく見ると、ビー玉大の実もつけていて、たった1ヶ月足らずでここまでなるとは、、、と自然の力に感心してしまいました。
ほっこりエピソードと思いきや
ところで、ここまではスイカの成長を温かく見守ってきた、田舎暮らしを満喫しているようなエピソードに聞こえるかもしれません。でも、実は私、ぜんぜん見守ってなかったんです。
正確には、子供たちがスイカの成長を見守る姿を部屋の中から遠巻きに眺めていました。
私が直接スイカの様子を見に行ったのは、芽が出て数日経ったときと上の写真を撮ったときの2回ほど。花が咲くまで、本当のところはぜんぜんスイカに関心がなかったのです。花の写真しかないことが、何よりの証拠です。
住む場所は変わったけれど
自然の多い土地に来て、子供たちは動植物に触れる機会が増えました。毎日のように虫取りをしたり、草を引っこ抜いてみたり、土を掘ってみたり。もちろんインドアな遊びも健在ですが、外での遊び方が変わりました。
夫は、もともと田舎出身ということもあり、自然と順応しているように見えます。庭の雑草にいの一番に気づいて、道具を揃え、草刈りをしてくれています。ローズマリーを植えたり、他にも畑に何を植えようか、苗をどこで買ったら良いか、いろいろリサーチしています。狩猟免許を取る準備も着々と進めています。
じゃあ私はと言うと。住む場所は変わったけれど、結局やってることは東京のときとなんら変わりません。
仕事は今はリモートワークやPCとメールで完結するものが中心で、子供の送迎をし、家事をする。先月はとにかく部屋を片付けることが最優先だったこともあるけど、YouTubeを見たりAmazonプライムを見たりSNSを見たりという息抜きの仕方も変わっていません。
この事実に気がついたとき、愕然としました。
頭の中はアップデートされていない
結局、「田舎暮らしがしたい」って言ってたけれど、私の言う「田舎暮らし」ってなんだったの??ただ住む場所が変わっただけ??本当にそれでよかったの??
そう考えていくと、せっかく思い切って移住はしたけれど、頭の中はぜんぜんアップデートされていない現実に気づかされます。
かと言って、急に畑仕事を始めることも違うかなと思うんです。もともと、動植物を育てることについてはあまり興味がわきません。畑も、なんだか大変そうだけど収穫は楽しそうだな、さつまいもくらいは育ててみようかな、という程度の関心度です。
それはそれで今はいいかなと思うし、もし興味がわいたときにチャレンジしてみればいいと思っています。
けど、暮らしのイメージも仕事のイメージも東京のままというのはマズいなぁと思うわけです。変わらない方が楽なので、楽な方向に停滞しているだけな気がして。こちらにはこちらなりの暮らし方や仕事の仕方もあるはずなのに、逆にぜんぜん変わっていない自分が怖い。
でも気づいたときが変化のとき。
どのようにアップデートしていくか、それはトライアンドエラーしかないと思うのですが、なにか一つでもぶつかってみて、世界を広げていきたいです。車の運転はその最たるもののような気がします。