保育園運動会でビデオが録れていなかった喪失感を「記録」することで乗り越える

運動会のプログラム

土曜日は保育園の運動会がありました。

9月から転園した次男。通い始めた頃には運動会の向けての練習はすでに開始されていて、途中から混じる形での参加となりました。

いつもお迎えに行くたびに職員室から園長先生がわざわざ顔を出し、「今日も運動会の練習、がんばってましたよー」と声をかけてくださり、さらに教室の前では担任の先生にも同じことを言われる、というのがここ何週間かのお決まりとなっていました。

新しい環境で、初めての競技を一生懸命に覚えようと頑張っているんだなぁと胸が熱くなったものです。

今年は密を避けるため見学できる人数も制限されていて、「お留守番のできる小学生はご遠慮ください」とのことだったので、長男と長女は家で待っていてもらいいました。

この1ヶ月の頑張りの集大成と今の姿をしっかりこの目に焼き付けて、さらにビデオと写真にも収めてあとで家族で鑑賞しようと、私たち夫婦も意気込んで臨みました。

ビデオが録れていない!!

ところが、夫に任せていたビデオが何一つ録れていなかったことが、帰宅後に判明。頭が真っ白になりました。

写真はある程度撮ったらもう見る方に集中していたので、撮れた写真をつないでも運動会全体はカバーできません。

あとで動画で見れることを楽しみにしていた長男・長女や、何より次男に申し訳なくて、しばらくは後悔の渦に飲まれていました。

柱にへばりつく男の子

原因としては、今回新しいビデオカメラにしたのですが、機材の予行演習が十分にできていなくて、ちゃんとボタンの設定が完了していないまま使ってしまったためでした。

これが仕事の場面だったらと思うとぞっとします。なぜ仕事と同じように事前にチェックをしなかったのか、めちゃくちゃ悔やまれます。

機材は私が準備したので、ひとえに私の準備不足なんですが、撮影しているときにどうして気づかなかったんだと夫に責任を押し付けたい気持ちもムンムン湧いてきました。(実際、ちょっとピリピリしてしまいました)

夫自身もヘコんでいるように見えました。

喪失感のやり場

この喪失感のやり場をどうしたらいいものか。ため息ばかりが出ます。

でも1日、2日たった今、ビデオや写真なんてなくても鮮明に思い出せるくらいいろんな形で記録していけばいいじゃないか!って気持ちにやっとなってきました。

文章でもいいし、絵でもいい、人に話すことだっていい。

いままだうっすらと眼球の奥に張り付いている映像が自然と消えていくのを漫然と待つんじゃなくて、なにか記録に残そう。

水筒を飲む男の子

もしかしたら、その記録の形は現実とはズレがあるものになってしまうかもしれない。ビデオや写真のように、そのままを映す(写す)ものではないから。

だけど、それでもいいかなって思っています。

私が見た今年の運動会

主な演目はかけっこ、体操的な競技、ダンスの3つ。それに準備運動のカッパ体操と退場の時のサメのダンス。それらも合わせると、覚えることは意外と盛りだくさんだったんじゃないかなぁ。

かけっこでは一番アウトコース。出だしは他の子に一歩リードされていたけど、第一コーナー手前で体がグッと前に出て、そのあとは独走状態。ニッコニコの笑顔のままゴールテープを駆け抜けていました。

雑巾掛け→ケンケンパ→でんぐり返しの競技。ケンケンパではフラフープを蹴ってしまって、一つずれてしまったのを几帳面にもとの位置に戻してからレースを続行していました。東京にいた頃は、背中をバーンと打ち付けちゃうものだからでんぐり返し禁止って言ってたんだけど、マットの上で華麗に回転していて驚きました。

ダンスでは、周りからワンテンポ遅れてしまったり、逆の方向に手足が出てしまっていたところもあったけれど、とにかく動きが全部大きくて豪快。堂々としていました。ジャンプが大好きだから、ジャンプするときは本当に嬉しそうな顔をしていました。

閉会式でのメダル授与。一人一人に参加賞で金メダルがもらえました。前の保育園ではこういうのはなかったから、これは絶対喜ぶだろうなぁと思って見ていたら、案の定ニヤニヤが押さえきれず顔に手を当てて自分の番がくるのを興奮気味に待っていました。

金メダルを持つ男の子

これらはぜーんぶ私の目で見た今年の運動会の映像です。

肉眼でも見て、体ごと応援する

運動会に限らず、子供の発表会の場面では、拍手が少ないことがいつも気になって仕方がありません。保護者たちはビデオにカメラに両手がふさがってしまっているからです。

見られている子供からしたら、ビデオやカメラ越しにずっと見られるよりは、顔を向けて声援を送ってほしいと思うんじゃないかな。

それに、スポーツ観戦でも観劇でも、盛り上がる場面では拍手をするのが当たり前です。同じように頑張っている子供たちにエールを送ったり、ときに手拍子をしたり、パフォーマンスの節目節目ではきちんと拍手を送りたいと思うものです。

なので私は今回も、写真はある程度撮れたと思ったら、あとはカメラをおろして肉眼で見る方に集中していました。そのときは体ごと応援しています。

この姿勢は間違ってなかったと思いました。

ビデオが録れてなかったとわかったときショックはショックだったけれど、もしずっとカメラを構えていて肉眼で見ていた時間が少しもなかったら、もっと後悔していただろうと思ったからです。

ちゃんとこの目でも見たよ、というのが救いになっています。

中島佐知子(サチカメ)

田舎暮らしに憧れ、東京から愛媛(西条市丹原町)へ家族5人で移住。念願の自然に囲まれた暮らしを楽しみながら、フリーランスとして出張写真撮影、古民家宿運営サポー...

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