周りを気にせず、失敗を恐れず、丁寧さを発揮する。
「『あなたは丁寧だけど遅すぎ!』って言われちゃったんだよね。あー、どうしてわたしは遅いんだろう」
ある日の夕食後、娘からこんな話が出てきた。「遅すぎ!」とは、担任の先生に言われたようだ。
文字をひとつ書くのに、すごく慎重になってしまって、給食の時間に差し掛かってしまうことがよくあるらしい。
一角を書くのに固まってしまっている娘の姿が眼に浮かぶ。
周りと比べ、失敗を恐れていた小学生時代
この話を聞いて、わたしは、自分の小学生の頃を思い出した。
わたしは時間がかかるという面では、娘と似たタイプの子だった。
ほんと何をやるにも時間がかかる、とくに作文や図工は時間内に終わった試しがなかった。
自分がやってることは変じゃないかなぁ?と周りの友達のとしょっちゅう比べていたし、失敗しないようにと恐る恐るやっていた気がする。
手を動かすより、考えて進めない時間の方が長かった。
だからしょっちゅう家に持ち帰ったり、放課後に居残りして仕上げていた。
娘自身の気づき
そんな、ちょっぴり切ない過去を思い出しながら娘に言った。
「どうして遅いのか?それはママの子だからかもね。ママもなんでも時間のかかる子だったから」
「え!!」と目を丸くして、その先の話も前のめりで聞いてくれた。
いつしか長男もその輪に加わってきた。ちなみに長男はまったくの正反対の人で、迷いなく手を動かし、クラスで一番乗りで仕上げてしまうタイプ。
それほど長い時間ではなかったけど、わたしの昔話を含め、いろんな話をする中で、娘自身がこう言っていた。
「あの子は字がうまい〜とか、周りのお友達のことが気になっちゃってたけど、気にしないことにする!」
周りを気にせず、失敗を恐れず、丁寧さを発揮して!
丁寧にじっくり、納得がいくまでやるのは良いこと。
学校という集団生活においては怒られてしまうこともあるかもしれないけれど、それであなたがダメな子だったり悪い子だったりするわけではない。
ただ注意してほしいのは、丁寧にじっくり、、、を紐解いていくと、「周りが気になってしまう」とか「失敗が怖い」という面も含まれていたりする。
それが足かせになってスピードを押し込まれているのだったら、解放してあげてほしい。
周りを気にしたって仕方がないし、失敗なんてじゃんじゃんすればいい。
その上での丁寧さを発揮していってくれたらうれしい。
娘に、そして、小学生の頃の自分にもし会えたら伝えたい。