食べることで支える。

はふはふはふ。

「おかわりあるー?」

「おでんだいすきー!」

「やっぱ、ふゆはおでんだねー!」

生協で買ったおでんセットに、冷蔵庫にある野菜や肉を追加しただけの適当おでん風鍋。

おかわりコールで見る見る間に減っていく。

ちくわとこんにゃくを追加、急きょゆで卵も投入。

まだ味のしみていないこんにゃくでさえも「うまいうまい」とほおばる子どもたち。

「あしたもおでんにして〜」

夕飯準備は好きじゃない

毎日の夕食準備は、はっきり言って好きじゃない。

メニューを考えるのがめんどくさい。

冷蔵庫の中身、昨日食べたもの、栄養バランス、子どもたちの好み、作るのにかかる時間、、、、いろんなことを加味して献立を考えるので、意外と頭を使う作業だ。

だけど作る。

食べないと生きていけないから。

外食や出前ばかりだとお金が持たないから。

それもある。

でもやっぱり思うのは、わたしは子どもたちのために作ってるんだよなってこと。

一人だったら平気で食事を抜いたり、コンビニパンで済ませるわたしである。

どんなにめんどくさいなーって思っても、「おいしい!」「おかわり!」の声を聞くとふわぁって上昇できる。

食べることでニコニコご機嫌になってく子どもを見ていると嬉しい。

大学芋とチキンカツ

食事の原風景は「大学芋」と「チキンカツ」である。

わたしは子どもの頃からサツマイモが好きだった。

高校、大学と母にお弁当を作ってもらっていたんだけど、毎日毎日大学芋を入れてもらっていた。

たしか買ってきた冷凍の大学芋だったと思うけど、とにかくわたしのリクエストに応えて欠かさず入れてくれてたことが嬉しかった。

それと「チキンカツ」。

試験の前の日は、母はかならずチキンカツを作ってくれた。

「きちんと勝つ」を文字っての「チキンカツ」である。

うちはわたしが浪人した関係で、一時期受験生が3人いたときがあって(大学受験2人、高校受験1人)、毎週のようにチキンカツが食卓に登場した。

またー?なんて言いつつ、応援の気持ちをお腹いっぱいに詰め込んだ。

母は食事で子どもたちを支えてくれていた。

食事で支える。

めんどくさいなぁと思いながら作った夕飯を、うまいうまい!とほおばる子どもたち。

それを見ていると、食事の力って偉大だな!って思う。

落ち込んだときも、美味しいもの食べたら元気が出る。

その困難を代わりに解決してあげることはできないけれど、食事を通して応援することはできる。

そうそう、三年前にも同じことを思って、こんなブックを作っていた。

わたしにとって食事は、自分を支えてきてくれたものだった。

だから今度はわたしが。

さて、今夜のメニューは何にしよう。またおでんでもいいかな(笑)

中島佐知子(サチカメ)

田舎暮らしに憧れ、東京から愛媛(西条市丹原町)へ家族5人で移住。念願の自然に囲まれた暮らしを楽しみながら、フリーランスとして出張写真撮影、古民家宿運営サポー...

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