逆光で子どもの顔が真っ黒!部屋の中で逆光を使った撮影法と考え方
みなさまの写真のお悩みに答えるコーナーです。
部屋に大きな窓があるので、逆光で、いつも子どもの顔が暗くなっちゃうんです。どうしたらいいでしょうか?
ご質問ありがとうございます!
「逆光だと撮れない」というイメージがありますよね。
でも実は「逆光」はうまく使うと人物を印象的に、やさしく、やわらかく撮ることができるので、お子さんを撮るのにも向いているんです!
部屋に大きな窓があるというのは、好条件だったりします。
問題点をひとつひとつ紐解きながら、上手に撮れるコツを解説していきますね!
アシスタントのサチカメちゃんです。
みなさん、はじめまして、サチカメです!どうぞよろしくね!
「逆光で、人の顔が暗くなる」ってどんな状態?
「逆光で、人の顔が暗くなる」と言うのは、いったいどういう状態なのでしょうか?
ヒントは「明るさの差」にあります。
逆光は、背景が明るく、被写体はそれに比べてだいぶ暗い状態です。
これだとカメラは面積の多い背景の明るさを基準に「全体的に見て明るそうだな〜」と判断して、写真の明るさ(適正露出)を決めます。
なので、被写体(人物)の方は真っ黒になってしまうんですね。
これじゃ、せっかくの子どものかわいい表情が見えなくて残念だね。
解消法のポイント
どういう状態かがわかれば、ここに解消法が隠されています。
ポイントは3つ
- 明暗差がある → 明暗差をなくしてあげる
- カメラは全体的に見て明るそうだな〜と判断する → 被写体を部分的に見て明るさを判断してくれるようにする
- そもそも逆光にならない位置で撮影する
ひとつずつ解説していきますね!
1.明暗差をなくす(環境の設定)
人間の目だと、明るい窓の外も、部屋の中の人の顔も、どちらもちゃんと見えていますが、それは人間の目の調整機能がとてもとても優れているから。
カメラはそうはいきません。
カメラは扱える明るさの範囲が限られています。(この範囲のことを「ダイナミックレンジ」と言います。)
一枚の画の中に、扱える範囲を超えて「明るすぎる」部分があれば、それは「白飛び」という形で真っ白になってしまいます。逆に「暗すぎる」部分は「黒つぶれ」してしまいます。
カメラは「明暗差」が苦手なんだね。
そう、そもそも明暗差があるのは、カメラにとって苦手な状態です。
なので、なるべくその苦手要素を取り除いてあげましょう!
①白いレースのカーテンを引く
白のレースのカーテンがあれば引きましょう。
窓からの光がやわらぎます。
②白っぽい服や白っぽいラグ
子どももママ(パパ)も白っぽい服を着たり、白っぽいラグの上にお子さんを座らせたり(寝かしたり)してみましょう。
白いものは光を反射するので、レフ板効果で、子どもの顔が明るくなります。
③部屋の明かりをつける
部屋の明かりをつけて、部屋と窓との明るさの差をなくすのも手です。
ただ、照明の種類によってはお顔の色が自然にならなかったりするので注意が必要です。
④ストロボを使う
ストロボを持っていたら、光を補ってあげることもできます。
その際は、光を子どもに直接当てるのではなく、壁や天井に当てて、光をやわらげてあげましょう(バウンス)。
ただし、カメラに最初から付いている内蔵ストロボだと、光を真正面からしか当てられません。
のっぺりした昭和感あふれる写真になってしまうので、その場合は使わない方がいいです。
2.好みの明るさを決める(カメラの設定)
カメラは「適正露出」という、カメラ自身が持つ明るさの基準にしたがって写真の明るさを決めます。
そのままだと自分好みの明るさと違う場合があるので、「私の好みの明るさはこのくらいですよ〜」とか「この部分を基準に明るさを測ってね〜」とか、カメラに指示しましょう。
①プラス方向に露出補正
Aモード(絞り優先オート)で撮っている人は、プラス方向に「露出補正」して、子どもの顔がちょうどよくなる明るさに設定しましょう。
+2くらいでも大丈夫かも。明るい窓が白飛びしすぎない程度に調整してみてくださいね。
②スポット測光モードに
「測光モード」では、「画面のどの部分を基準に明るさを測るか」を変えることができます。
おおまかに「評価測光(分割測光、マルチパターン測光)」>「中央部重点測光」>「スポット測光」の順で、明るさを測る範囲を小さくできます。
逆光で撮る場合は「スポット測光」にして、撮りたいもの(子ども)を基準に明るさを測ってね、とカメラに伝えましょう。
3.光を読む(被写体の配置)
上の方法を試してみたけれどやっぱり子どもの顔が暗くなっちゃう、明るくしようとすると窓が白飛びしちゃって嫌だな〜という場合もあるかもしれません。
そんなときは発想を変えて、斜光や順光になるようにポジションを変えちゃう!という手もあります。
いつも同じ位置で撮るんじゃなくて、子どもの周りを動いてみて、いろんな角度から撮ってみましょう。
いつもと違う新しい発見があるかもしれません。
いろいろ試してみてくださいね♪