「いい写真」を撮るためにサチカメが心がけていること
こんにちは。家族写真の出張撮影サチカメ!のなかじまさちこです。
今期の七五三撮影も残すところあとひと家族となりました。たくさんの出張撮影サービスがある中、サチカメ!を選んでくださったお客様、ありがとうございました。
現在は「ロング」「ショート」の2パターンの撮影プランをご用意しています。今年はロングプランで、お仕度のようすから撮影に入らせていただく割合が多かったです。
こちらのご家族も、美容院でのお支度の途中からお邪魔させていただきました。
更衣室を覗いてみると、袴の紐が結ばれていく様子を神妙な面持ちで眺めていました。どうしてこんな格好するんだろう??って不思議なんだろうな。
先に身なりが整うと、ママが髪をセットしてもらうところを、近くでずっと見ていました。
ドキドキ。なにかが始まる予感。
撮り手の視点がおのずと現れる
ハレの日の舞台裏に入らせていただき、普段は見られないさまざまな表情を見させてもらえるのが面白いです。
構図を決めて指示をして撮るのとは異なり、ただただその場で起こることを記録していきます。
この手の撮影で「なにを切り取るか」には、撮り手の視点がおのずと現れるので、すごく自分を試されているようで身が引き締まります。
私は普段よりちょびっと「感度」を上げて臨みます。「静かな感動屋さん」になることが、私なりのコツです。
「静かな感動屋さん」になる
「静かな感動屋さん」になる、とはどういうことかと言うと…。
撮影の日は、かなり感動しやすい状態に自分を持っていきます。意識的に。
技術的なシミュレーションももちろんします。(構図やポーズのバリエーションを頭に叩き込んだり、この場面ではこういう設定にしようとかも)
だけどそれはもう経験を積む中でだんだんと比重が低くなってきました。
かわりに何の比重が上がってきたかというと、「これから撮るご家族に感情移入をする」ということと、「感性を研ぎ澄ますために体調を整える」ということ。
感動しやすい状態に自分を持っていく
具体的には家族構成や年齢、性別、そのほかヒアリングした情報から、想像をします。
自分がもしそのご家族だったなら、、、
どんな気持ちで撮影の日を迎えるだろう?
家族のどんな顔が見たいだろう?
どんなときに喜びを感じるだろう?
私だったらきっと、直前までとにかくバタバタで、でもなんとかこの日を迎えられてよかったと安堵の気持ちだろう。
私だったらきっと、いつも家族に向けてくれている自然な笑顔が見たいだろう。
私だったらきっと、生まれたての頃を思い浮かべて「ずいぶんと大きくなったなぁ」としみじみ喜びを感じるだろう。
どっぷりと浸かったら、あとは撮影当日に最高のパフォーマンスを出せるように、早めに寝て体調を整えます。
普段より感性を研ぎ澄まし、感動しやすい状態に自分を持っていくのです。
「いい写真」を生む確率を上げるために心の感度を上げている
なぜなら、人は心が動いた瞬間にしか、いい写真は撮れないと思うから。それは長年の実感として、そう確信しています。
かつてのようにプライベートで撮る場合はいくらでも待てば良かったけど、仕事の場合は時間が限られています。「いい写真」を生む確率を上げるために心の感度を上げている、ということなのです。
ちなみに、「静かな」と付けたのは、あくまでこちらが何かを演出して感動を作り出すわけではないという意図です。私はあまりに静かに撮るので、フォトグラファー仲間に驚かれたこともあります。笑
こんなことをしているせいか、一つの撮影を終えるとどっと疲れが出ます。もちろん、心地のよい疲れではあるのですが、極力、一日2件以上は撮影をお受けしていないのは、そんな理由もあります。
どんな人になら撮影を任せたい?
いい写真を撮るためには、メンタル面の準備も欠かせません。
きっとどのフォトグラファーさんも何かしら心の準備をして臨んでいるんだと思います。
どんな準備をして臨むかは、そっくりそのまま撮影時の態度や視点に現れます。
あなたならどんな準備をしているフォトグラファーに撮影してもらいたい?「撮影を任せたい」と思えるフォトグラファーは、普段からどんな視点で世の中を見ている人?
そんなことを自分自身に問いながら、日々の撮影に臨んでいます。