『我が子を描こう』上手い絵よりいい絵を目指すスケッチ会に参加して

去年の11月のことだけど、イラストレーターの中尾久美さんが主催する『我が子を描こう』上手い絵よりいい絵を目指すスケッチ会に参加した。

開催から時間が経っちゃったし、Facebookに「参加しました〜」と投稿したので、なんかもういいかーという気になっていたけれど、すごくステキな時間だったし、わたしのその後にも影響してきているので、やっぱりちゃんとブログに記録しておこうと思う。

「写真」を見ながら描くスケッチ会

このスケッチ会では、実物ではなく「写真」を見ながらスケッチをする。それがこのワークショップのおもしろいところだと思う。『我が子を描こう』だから、モデルは我が子。となると、動き回るこどもをスケッチするなんて絶対ムリ!なんだけど、写真を見ながらなのでじっくり観察しながら描ける。

画材も豊富に用意されていた。線を描くものとして鉛筆、筆ペン、竹ペン、などなど。色をつけるものとして水彩絵の具、パステル。紙も普通の白い画用紙から模様や凹凸のある色画用紙まで。それらを目の前にするだけでワクワクした。

簡単な説明と自己紹介の後、もくもくと描き続ける。そして最後に全員の描いたものを鑑賞する時間。という流れだった。

わたしが参加した理由

わたしは絵を描くことは小さい頃から好きだった。ノートの端などにもよく描いていたと思うし、展覧会の出展作品に選ばれたり、ポスターが入選したり、区の文集の表紙に選ばれたこともあった。でも、そこそこ好きというラインにとどまり、最近はこどもにせがまれアンパンマンを描く程度だ。

スケッチやデッサン(この違いがよくわからない)にも興味がある。YouTubeでデッサン動画を見ては、まるで写真のように絵を描く人がいることに驚き、ため息が止まらない。こんな風に世界を描けたら、世の中の見方が変わりそうだ。

それから、写真を題材にするというのにも惹かれた。写真だけはたくさん撮っている。題材には困らない。一瞬をとらえる写真とじっくり観察して描くスケッチとの違いも体感してみたかった。

そんなこんなで、めちゃくちゃ楽しみにして臨んだ当日。まさに期待通り、いや、期待以上の素晴らしい時間だった。

ワークショップ中に描いた作品

ワークショップ中に描いたものと、それぞれ題材にした写真はこちら。


なかなか味があっていいものでしょ?

真ん中のは筆ペンで線を描いたのだけど、均等にインクが出るボールペンなどと違って、ところどころぼてっとなってしまったり、水彩を乗せようとすると滲んでしまったり、とても扱いづらかった。でも、そんな画材それぞれの特徴を確認しながら(ときに振り回されながら)描く時間はとても楽しかった。こういう体験ははじめてかもしれない。

写真と写真スケッチの違い

写真と写真スケッチの違い、逆に共通するところもあった。

一番の違いは、わたしにとっては「上手く描けない」ということ。写真は、ある程度思うように撮れるようになってきたけど、スケッチはぜんぜんまだまだ。全体のバランスを取るのが難しいし、細部も描けないし、画材には翻弄されるし、色を乗せるのも先生に何度もアドバイスいただいた。

もう一つの大きな違いは、滞在時間。写真は一瞬でできあがるけど、スケッチは時間がかかる。また、写真は「今目の前のこと」をとらえるのに対して、写真を題材としたスケッチでは、昔の写真を使えば「過去」にタイムスリップして、そのときをとらえることができる。滞在時間の長さや、時系列の自由さが写真を撮ることにはないおもしろみだ。

共通するのは、「何を伝えたいか」を考えながら撮る・描くということ。写真ではそこにピントを合わせ、スケッチではそこだけを抜き出して描く。ただ漫然と見たままに描くのではなく、そこにはやっぱりどう描きたいか、どこに心惹かれたか、なにを伝えたいか、があった。

写真スケッチは楽しい

とにかく、とても収穫の多い時間だった。こんなに集中して何かを作り上げる時間ってなかなかないかもしれない。疲れたけれど、不思議と頭がクリアになる感じがした。

ワークショップ中は下二人のスケッチしかできなかったので、長男のスケッチは自分への宿題とした。それで家でも描いてみたら、やっぱりすごくおもしろくて、それ以来何枚か継続して描いている。今やわたしにとって、大切な時間になってきている。写真スケッチは本当に楽しい。これについてはまた別ポストで。

中島佐知子(サチカメ)

田舎暮らしに憧れ、東京から愛媛(西条市丹原町)へ家族5人で移住。念願の自然に囲まれた暮らしを楽しみながら、フリーランスとして出張写真撮影、古民家宿運営サポー...

プロフィール

関連記事一覧