4歳児が今までにハマった絵本。続編
娘(4歳10ヶ月)が今までにハマった絵本のご紹介、続編です。
前回の記事でご紹介したのはこの三冊でした。
「はじめてのキャンプ」
「あおい玉 あかい玉 しろい玉」
「ゼラルダと人喰い鬼」
「こんとあき」 林明子
こんはおばあちゃんが作ってくれたきつねのぬいぐるみで、あきが赤ちゃんの頃からずっと一緒です。ある日、こんの腕がほころびてしまったので、直してもらうために、こんとあきの二人でおばあちゃんの家まででかけます。電車に乗り遅れそうになったり、犬に連れて行かれてしまったり、ハプニングがありながらも無事におばあちゃんの家に着き、直してもらうことができました。
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きつねのぬいぐるみが生きているかのように動いたりしゃべったりするという、不思議な世界観のお話です。あきとだけしゃべれるとか、あきにだけ生きているように見えるというのではなく、このお話の中ではこんは普通に生きているものとして扱われています。
初めて読んだとき、この世界観になんとも言えない違和感を感じました。「ありえない!」とか「つじつまがあわない!」とか、思ってしまうんです、読んでいて。(おとなげない!笑)
でも、娘はなにも違和感なくこの絵本の世界に入っていって、あきになったり、もしかしたら時にはこんになったりしながら、この冒険を楽しんでいるようでした。
「こんとあき」は結構有名な絵本だと思うので、読んだことある人も多いんじゃないかな。大人の皆さんはどういう感想を持つのか気になります。
ちなみに私は最初に抱いた違和感をいまだ拭えません!
「きつねのホイティ」 シビル・ウェッタシンハ(作) 松岡享子(訳)
スリランカの小さな村のお話です。村には、アンゴウ、マンゴウ、ランゴウという名前の3人のおかみさんが住んでいて、村はずれの森には食いしん坊ぎつねのホイティが住んでいました。
ある日ホイティは人間の服を着て旅人をよそおってアンゴウさんの家を訪ねます。何も知らないアンゴウさんはお腹を空かせた旅人にごちそうを振舞います。これに味をしめたホイティは、マンゴウさん、ランゴウさんの家も順に訪れて、同じ作戦でごちそうしてもらいます。
ホイティは人間をだましてやったと大得意で、3人のおかみさんを馬鹿にするような歌を大声で歌っていました。けれど、実は3人のおかみさんは旅人の正体を見破っていて、あえてごちそうを振舞っていたのでした。
ホイティが自分たちのことを馬鹿にしていると知ったおかみさんたちは怒り、なんとかしてホイティを懲らしめてやろうと作戦会議。そして、あることを行い、ホイティを懲らしめることに成功したのでした。
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「絵本でこんなストーリーでいいのか!?子どもに悪影響じゃないか!?」と心配してしまうほど、ホイティと3人のおかみさんたちの馬鹿にしあう姿がなんとも居心地悪い。最後の仕返しも、暴力的なものではなく、うんとからかって恥ずかしい思いをさせてやろうといったもので、こんなことを子どもが覚えてしまったらいやだよ〜と思ってしまった。
けれど、子どもにとってもやはりここはモヤモヤ〜って感じるみたいで、自然と、「こんなやりかたしなくてもいいのにね」なんて話になったり。そうか、絵本は必ずしも理想的な物語である必要はなくって、ときには反面教師的なものもあっていいんだ、と思わされた一冊です。
お話の中でたびたび歌う場面が出てくるのだけど、ひょんな思いつきからこれを「ラップ調」に読んでしまったのだから大変。以後ずっと「ラップ調」を貫かなくてはいけなくなってしまいました(笑)。人前では読めない…。
「もりのかくれんぼう」 末吉暁子(著) 林明子(絵)
けいこは公園で遊んだ帰り道、おにいちゃんとはぐれてしまい、森に迷い込んでしまいます。そこには「もりのかくれんぼう」という名前のかくれんぼが得意な男の子がいました。けいこと男の子と森の動物たちはかくれんぼをして遊びました。
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森の場面では、森の木や葉と同じ色で動物たちや男の子が描かれていて、こちらもけいこちゃん(オニ)になったつもりで、「◯◯みーっけ!」と遊びながら読み進めることができます。娘はそれが大好きです。なので、なかなかページが進まないのですが。
遊び要素が含まれている絵本も魅力的ですね。
「番ねずみのヤカちゃん」 R・ウィルバー(作) 松岡享子(訳)
ねずみのお母さんと子どもが4匹暮らしていました。4番目の子どもは兄弟の中でもひときわ声が大きいので「やかましやのヤカちゃん」と呼ばれていました。
人間の家の壁の裏にひっそりと暮らさなければならないねずみにとって、声が大きいことは命取りにもなりかねません。生き延びるための術をお母さんから教わります。
それでもある日、ヤカちゃんの声の大きさから人間に存在がばれてしまい、あの手この手で罠を仕掛けられます。お母さんからの知恵のおかげてなんとかピンチを切り抜けます。
そんなとき、偶然にも家に忍び込んだドロボウを、その声の大きさでやっつけてしまいます。
これ以来、番犬ならぬ「番ねずみ」として、その家にいられることになりました。
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一番最近ハマったのがこの絵本です。
娘は、とにかく声が大きくて、起きてから寝るまで(歯磨きの最中でさえも)しゃべっているような子なので、「娘=ヤカちゃん!」と重なるところがありました。本人もそう思ったかはわからないけれど、いつも楽しそうに聞いてくれます。
繰り返しのフレーズが多いので、大人にとっては読むのに辛抱がいるのですが、子どもにとってはこの「繰り返し」こそがおもしろいと感じるようですね。
ドロボウと格闘するクライマックスシーンに到達するまでが長い長い…。なんど途中で戦線離脱してしまったことか(本を読んでると眠くなりますよねー)。
話の内容としても、ねずみとしては致命的欠陥とも言える「声のでかさ」が、最後は武器となり、「番ねずみ」という天職を手に入れたのだから、とっても勇気づけられます。これは大人視点ですが。
子どもは今そこまで感じられなくても、ストーリーが頭や心に染み込んでいれば、将来なにかをきっかけに絵本のストーリーがむくむくっと思い出されて、勇気をもらうってことがある気がします(例えば、どうしても直せない癖があって周りにも怒られてしまう。けど、いつかこの癖もなにかの役に立つ!と思えば力が湧く。というような。)。
そういう「見えない勇気の種」をまくような気持ちで、私は絵本を読み聞かせているんだなぁ!とこの記事を書いていて気が付きました。
まだまだ娘が好きな本があるので(あ、長男が好きな絵本もあるな!)、折を見てご紹介します。