ライブ感ありエキサイティングな「場づくりの読書会」

千駄木のまちの教室KLASSで行われた「また行きたい!と思える場をつくるゼミ」(以下、場づくりゼミ)の最終回は「場づくりの読書会」でした。

講師の舟之川聖子さんが選んで持ってきてくれた場づくりに関する本の一節を全員で読み、感想を述べ合うというもの。

実はわたしは「読書会」というもの自体がはじめてだったので、新しい場のスタイルを体験するという意味でも参加を楽しみにしていました。

机の上に置かれた本たちは、今までまったく読んだことのないジャンルの本ばかりでした。

この中から読書会では3冊読みました。

かかわり方のまなび方: ワークショップとファシリテーションの現場から:西村 佳哲(ちくま文庫)
場づくりの教科書:長田英史(芸術新聞社)
生きていく絵:荒井裕樹(亜紀書房)

同じ本を本でも、印象に残る箇所が違ったり、印象に残る箇所が同じでも抱く感想が違ったりしました。

具体的な内容はここでは触れませんが、あの読書会の場を例えるならば、まるで全員で大きなキャンバスに絵を描いていくような作業でした。

本を読んで、一旦自分の中に取り込み、それぞれの経験や思考に照らして返ってきた感想という名の絵の具は、まったく同じ色というものはなくて。

それぞれの色が、読書会というキャンバスの上で混ざり合い、深まり、新しく見たこともない絵を作り出していました。

おそらくあの色あの絵は、あの時あのメンバーだったからできたもので、また別の場所で別のメンバーだったなら、まったく別のものができあがっていたんだろうと思います。

それほど読書会はライブ感があり、エキサイティングな場でした。

場づくりゼミ自体は各回申し込み制でしたが、最終回は「いつものメンバー」になったのもよかった気がします。

何度か顔を合わせ、それぞれの場づくりというテーマを通じて自己開示をしてきたメンバーなので、「みんなはどういう感想を持つんだろう?」という楽しみや、「どんなことを発言しても受け止めてもらえる」という安心感がありました。

すごくいい場が生まれる瞬間に立ち会うことができて、これからわたしが開こうとしている場へのヒントをたくさんたくさんいただきました。

* * *

第3期の募集もはじまったようです。

ここでの「場」は「会、室、部、クラブ、サークル、セミナー、シンポジウム、イベント、ワークショップ、講座、祭、フェスティバル、会議、ラボ、屋、店など、人が集まり活動するときの『形態』『営み』『機会』」というように、広く定義されています。

実際、集まったメンバーの開きたい場は三者三様でした。

内容ももちろん勉強になることばかりなのですが、全体を通じて場づくりの裏側を惜しみなく見せてくれるのがおもしろかったです。「今、こういう意図でやってまーす」と、さらっと組み込んでくれるんです。なかなかない体験だと思います。

それと、講師のせいこさんは「言葉」への感度が非常に高い方だという印象を受けました。

わたしがぐちゃっと吐いた言葉を簡潔に言い表してくれたり、だれもが何気なく使っている言葉の定義や分類をご自身の中でしっかりされているので、誤解なく相手に伝わる表現をいつもされています。

場を開くにあたっては(もちろん意図はするのだけど)最終的に集まってくれた人がどんな人なのかはわかりません。そのときに、ちゃんと場の方向性の舵を取ったり、参加者や参加者同士が誤解なくつながる場にしていくためにも、言葉の力って大事です。

そんな多方面から学べるゼミです。

参加者のお一人から、「ありがとう」が多言語で書かれたカードをいただきました。さりげないプレゼントが本当にうれしい。

場づくりゼミを通じて、参加者の皆さんと出会えたことも大きな財産となりました。皆さんの場がひらかれるときには、ぜひお邪魔したいと思います。ありがとうございました!

中島佐知子(サチカメ)

田舎暮らしに憧れ、東京から愛媛(西条市丹原町)へ家族5人で移住。念願の自然に囲まれた暮らしを楽しみながら、フリーランスとして出張写真撮影、古民家宿運営サポー...

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