バナナケーキが教えてくれたこと。いつも完ぺきでいなくてもいいと思わせてくれる関係性。

日曜日、夕方から3時間くらい所用で出かけていて帰ってくると台所からい〜い匂いが。

夫がバナナケーキを焼いていました。

本人も甘いものが好きで、料理もそこそこ好きなようで、ときどき時間が空くとこうしてお菓子作りをしています。

お味の方もちゃんとおいしくて、子どもたちの手によってあっという間になくなってしまいました。

こんな話をすると「お父さん、ステキですね〜」とか「旦那さん、すごいね!」とか周りには言われます。

たしかにすごいです。私より女子力高いんじゃないかと思うくらい。

でも、「お菓子作りをしちゃうこと」それ自体というよりは、もっとなんというか、でっかい佇まい的なところでとても感謝しているのです。

例えばそれは、わたしが留守にしても家の中がちゃんと回る(それどころかいつもより若干良くなってる…)こと、だったり。

わたしが何もかも完ぺきにやらなくても大丈夫な状態にしていてくれること、だったり。

今でこそ笑い話ですが、結婚した当初は、食事作りも、食べた後の食器洗いも、洗濯物も、一連の家事をささっとやってのけてしまう夫を見て、「わたしの存在価値ってなんだろう」と一人泣いていたことがありました。

専業主婦家庭で育ったわたしにとって、家のことは妻の仕事だと、ずっとずっと何も疑いなく思ってきたのです。

だから、なんでもできちゃう夫を見て、自分の存在価値が脅かされたような気がして、本当に恐ろしくなったのでした。(今では夫が台所に立ち、わたしがのんびりしてる、というのが珍しくない光景になりましたが。笑)

夫にとっては自分の身の回りのことを自分でやるのは当たり前のことで、「二人とも働いているのだから、家のことはできる方ができるときにやればいい」という考えでした。

子どもが生まれてからもそれは変わらず、いつも家事にコミットしてくれます。当たり前のこととして。

わたしが何もかもやらなくても家の中が回る、いや、実際は回りきってはいないのだけど、それさえも自分ごととして対策を考えてくれる。

わたしがいつも完ぺきでいなくてもいいと思わせてくれるのは、とても居心地がよいです。

夫がそういう姿勢でいてくれるから、わたしも外で色々と挑戦できるし、家族や子育て以外のフィールドを持ち、学びも続けられているんだと思います。

実は最近、仕事が忙しくなってちょっぴり疲弊気味だったんだけど、この恵まれた環境に感謝して、やっぱりわたしはわたしにできることを頑張っていくしかないな!…ということを、このバナナケーキが気付かせてくれました。

中島佐知子(サチカメ)

田舎暮らしに憧れ、東京から愛媛(西条市丹原町)へ家族5人で移住。念願の自然に囲まれた暮らしを楽しみながら、フリーランスとして出張写真撮影、古民家宿運営サポー...

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