アサガオの種がならなかったときに娘が出した答え。
始業式の朝。泣きながら消しゴムで消している娘。
消しているのはアサガオの観察日記。もうぐちゃぐちゃ。
娘が書いた観察日記、わたしはすごく好きだったのにな。
アサガオの種の観察
観察日記の宿題は2枚出ていて、それぞれ右上に「はな」「たね」と娘の字で書いてありました。
あらかじめ書くテーマが決まっていたんです。
けれど、運悪く、娘のアサガオは夏休み中に種をつけることはありませんでした。
ほとんどの宿題を前もって終わらせていた娘でしたが、アサガオの種の観察だけは最後の最後まで残ってしまっていました。
「種ができなかったので書けませんでした、って先生に言ったら?」
「種以外のものについて書いていけば?」
生真面目なところがある娘なので、どんなアドバイスをしても「種のことを書かないと、先生に怒られる…」と聞きません。
困り果ててしまったので、「どうするかは自分で考えたらいいよ。どんな形でも、先生は怒らないと思うよ」とちょっと突き放し、様子を見ることにしました。
しばらくすると何かひらめいたように書き始めたので、「気持ちを切り替えたんだな」と少しホッとして、わたしは次男とともに先に眠りにつきました。
娘の出した答え
わたしのたねは、きらきらしていて、とてもきれいでした。
娘の観察日記にはこう書かれ、スケッチ欄には茶色をベースにピンクや水色の宝石が埋め込まれたような、きれいな種が描かれていました。
そうきたか…。
白紙で出すのは嫌。かと言って、種以外のものを書くのも嫌。出した答えが、自分の理想の種を書く、だなんて!
わたしは、娘がちゃんと自分なりの答えを導き出せる力が備わっていることにうれしくなりました。その感性にも驚かされました。
これを提出したら担任の先生はどんな反応をするだろうという興味もわきました。
けれど、結局娘はこれを泣きながら全部消してしまうことになり、わたしの興味も答えを失ってしまったわけなのですが。
理由としては、どうやら長男に「こんなんじゃダメだ」と言われたみたいで。
長男としては、「観察日記というものは、観察して、本当のことを書くもの」という、真っ当なことを言ったまででなんら罪はないんです。
けどね、ちょっと残念。
せめて消しゴムで消してしまう前に、写真に撮っておけばよかったなぁ。