母が帰ったあとは網戸が新品のようにピカピカになっていた。

ここ3日ほど、静岡から母が手伝いに来てくれていた。

子どもたちが軒並み体調を崩し、一方でわたしは外せない仕事があったので。

遠方に住んでいるので滅多に頼ることはしないんだけど、こうしてヘルプを出すと手を差し伸べてくれる。

しかも、母が来たあとは、家の中のいたるところが磨かれている。

今回は水回りを中心に、棚の上のホコリや窓ガラスの曇りも跡形もなく消えていた。

網戸が新品のようにピッカピカになっていて、聞くと、お風呂場で水洗いしてくれたらしい!

わたしは引っ越して来てから一度もそんなことしたことなかったのに!!

「忙しくてできないでしょ。たまに来たときくらいはやっておくよ」

そう言って母は次々を家の中で「しごと」を見つけていき、どんどんと片付けていく。

別に対価や賛辞を求めているようにも見えない。

少しでも娘のわたしの手助けになれればという気持ちで、気が付いたことを淡々とやっているだけという感じ。

わたしなら目をつぶってしまったり気がつかなかったりする散らかりや汚れも、母は「対処すべきもの」と捉えて、自らの仕事に変えていく。

目の付け所が違う。これが長年主婦をやっている人の家事力なのか。

他の人が何もないと思うようなところに仕事を見つけ出すというのは、立派な才能とさえ思う。

おもちゃがキチンと棚に収まり、コロコロがかけられた床。

教科書が散乱していないランドセル棚の周り。

しばらくはこの状態をキープできるようにがんばりたい。(でもまたいつでも来てね。)

中島佐知子(サチカメ)

田舎暮らしに憧れ、東京から愛媛(西条市丹原町)へ家族5人で移住。念願の自然に囲まれた暮らしを楽しみながら、フリーランスとして出張写真撮影、古民家宿運営サポー...

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